原発ゼロの会・公式ブログ

共同代表:河野太郎(自民)・近藤昭一(民主) 世話人:長谷川岳(自民)・山内康一(みんな)・笠井亮(共産)・村上史好(生活)・阿部知子(無所属) 事務局長:阿部知子

2014年07月18日

【談話】原子力規制委員会の独立性・中立性確保を強く求める

川内原発の新規制基準適合性に係る審査書案をとりまとめた原子力規制委員会の独立性・中立性に懸念があることから、原発ゼロの会は7月18日、役員名で談話を発表しました。
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2014年7月18日

原子力規制委員会の独立性・中立性確保を強く求める(談話)

原発ゼロの会役員

原子力規制委員会は7月16日、九州電力川内原発1、2号機の新規制基準適合性に関する審査書案をとりまとめた。本審査書案の内容はもちろん、避難計画の問題など原発再稼働に係る様々な論点については、原発ゼロの会としても引き続き注視し、適宜提言等を行なうこととしているが、適合性審査をはじめ重大な任に当たる原子力規制委員会及び原子力規制庁の独立性・中立性に強く疑念を抱かせる人事が行なわれていることから、同委の任務遂行の大前提として、早急に是正を求めるものである。

◇田中知次期原子力規制委員会委員の利益相反問題について
1. 原発ゼロの会は、去る5月30日に役員談話「田中知氏の原子力規制委員会委員への任命案について」を発表し、田中知氏の原子力産業協会役員歴や東電記念財団等からの報酬・寄附受領事実に照らして、同氏の任命案を撤回することを求めた。しかし、政府は同人事案を撤回せず、国会も本人事に同意をした。

2. 田中知氏については、直近3年以内に限らず、原子力事業者からの多額の寄附受領の事実が明らかになっていたが、この度7月5日付朝日新聞報道により、新事実が判明した。即ち、同氏がつい最近まで三菱FBRシステムズ「アドバイザリー・コミッティー」(本年6月まで)及び日本原燃「ガラス固化技術研究評価委員会 委員長」(同3月まで)を有報酬で務めていたというものである。

3. 政府もこの事実を認識していたが、報道を受けて、問題ないとの見解を表明している。その理由は、報酬が少額(年間50万円未満)であり、専門技術的な立場からの助言を行なうものであったからというものである。なお、いずれの経歴も同氏の核燃料安全審査専門会委員の就任に当たっての自己申告(本年4月22日付)に記載されていないが、同じ理由であるとされる。

4. 一般論としては、規制対象たる原子力事業者等に第三者的立場で助言する任にあることのみをもって利益相反と断ずることはできないが、田中知氏の一連の経歴及び報酬・寄附受領の事実と合わせると、同氏の原子力規制委員会委員としての適性にさらなる疑問を生じさせるものである。

5. 政府は民主党政権時の規制委員欠格要件のガイドラインを適用していないことを明言しているが、それによって任命基準のみならず、情報開示も大きく後退したことは明らかである。報道機関の大学への情報開示請求等によって事実が明らかになり、政府が認めるという一連の経過は、あるべき姿からは程遠い。

◇森本英香原子力規制庁次長の環境省官房長就任について
6. 環境省は7月8日付で森本英香原子力規制庁次長を官房長に充てる人事を発令した。森本氏の後任の規制庁次長には清水康弘環境省総合環境政策局長が就いた。

7. 原子力規制委員会設置法附則第6条第2項はいわゆる「ノーリターン・ルール」を定めている。ノーリターン・ルールは原子力規制組織改革の眼目として同法案の国会審議の焦点の一つとなり、附帯決議にも明記をされた。附則第6条第2項は「原子力利用の推進」に係る行政組織を対象としており、国会審議でも確認された通り、その意味では環境省はノーリターン・ルールの対象とはならない。但し、環境省は除染等を所掌事務としており、規制庁との間で緊張関係を保つべきであることは言うまでもない。

8. 原子力規制庁の初代次長である森本氏は同庁のいわば「顔」であり、その森本氏が同庁に「骨を埋める」ことなく、易々と出身の環境省に復帰し、要職に就いたことには驚きを禁じ得ない。清水局長が後任についた人事と合わせて考えると、規制庁次長ポストが環境省の「指定席」となり、あるいは官僚の出世の単なる一ステップとなってしまうのではないかとの疑念が生じる。

9. 原子力規制庁の人員についてはプロパー人材の養成等を通じて、より強力な体制となることが求められているところである。しかし、幹部人事が回転ドアのように行なわれ、ノーリターン・ルールが骨抜きにされてしまうのであれば、原子力規制委員会を事務局として支える同庁が本来求められる役割を果たすどころか、実務レベルから独立性と中立性を掘り崩すことにつながる。

◇厳格なルールの下で原子力規制委員会及び原子力規制庁の人事に当たるべき
10. 我々は、一連の人事により、「原子力ムラとの決別」という原子力規制委員会新設の本旨が曲げられ、かつ、原子力規制に対する国民の信頼が崩壊することを大いに懸念する。よって、政府は、原子力規制委員会委員長及び委員任命の基準及び原子力規制庁のノーリターン・ルールの指針を改めて策定し、それらの厳格な適用の下で次期規制委員及び規制庁幹部の人事をやり直すべきである。

以上

原発ゼロの会役員 共同代表:河野太郎(自民党)、近藤昭一(民主党)
世話人:長谷川岳(自民党)、鈴木 望(日本維新の会)、山内康一(みんなの党)
    笠井 亮(日本共産党)、真山勇一(結いの党)、玉城デニー(生活の党)
    照屋寛徳(社民党)、阿部知子(無所属)
顧問:加藤修一(公明党)、逢坂誠二(民主党)
事務局長:阿部知子(無所属)

* 原発ゼロの会には、9党・無所属の衆参国会議員66名が参加しています。

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2014年05月30日

【談話】田中知氏の原子力規制委員会委員への任命案について

政府が原子力規制委員会の委員に田中知・東京大学大学院教授を任命する案を提示したことをうけて、原発ゼロの会は5月30日、役員名で以下の談話を発表しました。

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2014年5月30日

田中知氏の原子力規制委員会委員への任命案について(談話)

原発ゼロの会役員

政府は去る5月27日、田中知氏(東京大学大学院工学系研究科教授)を原子力規制委員会委員に任命することについて衆参両議院に同意を求めた。しかしながら、「利用と規制の分離」「公正中立」「原子力ムラとの決別」「国民の信頼」などを謳った原子力規制委員会設置法の趣旨が十分に尊重されるべきところ、本件任命案は欠格要件に抵触する可能性があるほか、国会の同意を求めるに至る政府の手続きにも瑕疵があると考え、以下問題点を指摘するとともに、撤回と再検討を求めるものである。

◇平成24年に政府が示した欠格要件について
1.平成24年の原子力規制委員会発足人事の際、政府は「原子力規制委員会委員長及び委員の要件について」(同7月3日・内閣官房原子力安全規制組織等改革準備室)を公表し、法定事項に加えて「就任前直近3年間に、原子力事業者等及びその団体の役員、従業者等であった者」又は「就任前直近3年間に、同一の原子力事業者等から、個人として、一定額以上の報酬等を受領していた者」を欠格要件とした(「役員、従業者等」について無報酬の者を除外する等の限定はなされていない)。

2.上記の「原子力事業者等」の定義について、政府は参議院議院運営委員長に提出した文書(平成24年8月24日付)において、「電力会社に加え、電力会社の子会社等経済的に強いつながりが認められるもの」とし、規制委員長・委員候補向け調査票に例示したものとして「原産協会(=日本原子力産業協会)」を明記した。

◇田中知氏の欠格要件抵触可能性について
3.政府は、原子力規制委員会委員の発足人事の際には上記欠格要件に係る調査情報を開示していたが、今回の人事案については開示されていない。しかし、田中知氏の原子力規制委員会核燃料安全審査専門会委員の就任に当たっての自己申告では、日本原子力産業協会役員(平成23年〜24年)、エネルギー総合工学研究所役員(平成26年4月22日現在現職)等の経歴があることが明らかにされている(規制委HPで公表)。また、「1年度あたり50万円以上の報酬等の受領」として東電記念財団(平成23年度)、寄附の受領として日立GEニュークリア・エナジー(平成23年度・60万円)、太平洋コンサルタント(同・50万円)が記載されている。

4.田中氏の日本原子力産業協会役員就任歴は上記欠格要件に抵触することが明白である。エネルギー総合工学研究所役員就任歴及び東電記念財団からの報酬受領も抵触の疑義がある。

◇欠格要件の変更に関する政府の説明責任について
5.しかし、5月28日の参議院原子力問題特別委員会で、井上信治環境副大臣は上記欠格要件を適用せず人選したと答弁した。また、同委で原子力規制庁は、東電記念財団は電力事業者に相当せず、また、報酬(謝金)は正当なものであるという不透明な解釈を示した。

6.上記欠格要件には法令又は閣議決定の裏付けはないが、質問主意書への政府答弁書(質問者・服部良一衆議院議員、平成24年9月14日)において、参院での規制委設置法案の審議等を踏まえて作成したことを明記している。閣議決定された答弁書の立場を継承しないのであれば、人事案提示前に説明責任を果たすべきである。

7.上記欠格要件は国会審議を踏まえて作成されたものであり、2年前の同意人事に係る手続きに際して衆参議運委理事会等において説明がなされたものである。よって、形式的な継承はともかくとして、その内容・趣旨を変更するには相当の理由が求められると考えるが、政府より合理的な説明はなされていない。

以上

原発ゼロの会
 共同代表:河野太郎(自民党)、近藤昭一(民主党)
 世話人:長谷川岳(自民党)、鈴木 望(日本維新の会)、山内康一(みんなの党)
      笠井 亮(日本共産党)、真山勇一(結いの党)、玉城デニー(生活の党)
      照屋寛徳(社民党)、阿部知子(無所属)
 顧問: 加藤修一(公明党)、逢坂誠二(民主党) 事務局長:阿部知子(無所属)

* 原発ゼロの会には、9党・無所属の衆参国会議員66名が参加しています。

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2014年04月18日

【コメント】原子力協定の国会承認をうけて

トルコならびにアラブ首長国連邦との原子力協定の国会承認をうけて、原発ゼロの会は4月18日、役員名で以下のコメントを発表しました。
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2014年4月18日

トルコならびにアラブ首長国連邦との原子力協定の国会承認をうけて(コメント)

原発ゼロの会役員

 本日をもって国会承認となったトルコならびにアラブ首長国連邦との原子力協定について、以下の問題点を指摘します。

1.福島第一原発事故を踏まえた安全確認要件が国際的にも未確立。
 原子力協力における安全確認は国際機関の意見等も考慮しつつ行なわれるべきであるが、IAEAによる福島第一原子力発電所事故に関する包括的報告書は作成途中である(2014年末完成予定)。当該報告書の作成においては「事故原因や結果の評価」も目的の一つとされている。すなわち、福島の事故を踏まえた安全確認要件等についての国際的な見解は明らかになっていない。加えて米国原子力規制委員会(NRC)前委員長のヤツコ氏も指摘するとおり、事故時における住民保護の体制が極めて不十分である点も未解決である。

2.原発輸出における機器等の安全確認体制が未整備である。
 原発関連資機材等の輸出に対する公的信用の付与(JBICによる融資協力やNEXIによる付保)の前提となる安全確認手続きについて、福島第一原発事故前は原子力安全・保安院と経産省産業機械課が平成15年の内規に基づきそれを担っていたが、原子力安全・保安院が廃止され原子力規制庁が設置された後、原子力安全・保安院に代わる安全確認担当機関が決まっていない。また、従前になされていた安全確認の方法も杜撰であり、いかなる機関がそれを担うかということと併せて十分な検討が必要である。

3.トルコにおいて、推進と規制の分離がなされていない。
 具体的輸出案件が準備されているトルコにおいては、原子力推進機関と規制機関の分離がなされていない。上記の公的信用付与にあたっての安全確認においては、「相手国・地域が安全規制を適切に行える体制等を整備していること」を確認することとなっているが、事故を経験した日本の政府が、こうした相手国の現状について「安全規制を適切に行える体制等が整備されている」と評価することは矛盾である。

4.トルコにおける地層調査に信用性がない。
 トルコでの原発建設における地層調査については、敦賀原発直下の活断層を最後まで活断層でないと主張していた日本原電に随意契約で委託調査がなされ、その報告書が非公表となっており、著しく信用性に欠けている。また、地震対策が不十分で周辺インフラの耐震性が低く事故対応が極めて困難とみられる問題、立地自治体であるシノップ市長や地元住民の反対があることなどの指摘に対しても、十分な説明がなされていない。

5.核不拡散体制の担保がない。
 トルコとの原子力協定には、同国における濃縮・再処理が可能となる規定があり、日本政府が「許可しない」ことをトルコ政府に伝達したということだけでは核不拡散の実効性の担保はなく、加えて使用済み核燃料の処分方法も未確立である。

 以上の問題は原子力協定が発効しても、なお残る現実的な課題です。原発ゼロの会としては、危険な、また倫理的及び社会的な責任所在のない原発輸出が実行されないよう、これからも取り組みを強化していきます。
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原発ゼロの会
 共同代表:河野太郎(自民党)、近藤昭一(民主党)
 世話人:長谷川岳(自民党)、鈴木 望(日本維新の会)、山内康一(みんなの党)
      笠井 亮(日本共産党)、真山勇一(結いの党)、玉城デニー(生活の党)
      照屋寛徳(社民党)、阿部知子(無所属)
 顧問: 加藤修一(公明党)、逢坂誠二(民主党) 事務局長:阿部知子(無所属)


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